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桐タンス・カビ・黒ズミに<
梅雨前にカビを直す。
ジメジメしてくる梅雨時、前々から気になっていた桐たんすのカビを直すチャンスです。
基本的に桐たんすは湿気に強く家具タンスの底や引き出しに見られるような、
パンをほったらかしにしたような毒々しいカビの大量発生はありえません。
それだけに扉の内側やお盆等に、ポツポツと小さく黒いカビを見るとびっくりしてしまうのかも
知れません。
実際にカビの生えたタンスを見ますとそれほど気にする事は無いと言うのが殆どです。
以前置いていた場所が水回りの近くで湿度が高く、風通しの悪い所に置きっぱなしにしていた等
かなり条件が悪かったハズです。
それを風通しの良い日の当たる場所に移動したと言う事でしたらそのカビがタンス内部の
お着物に悪さをする事はありません。
ひとまず移動したら引き出しを半分ほど出して陰干しして着物自体の湿気を取ってしまいます。
そのようにタンスを移動しますと今迄見えなかった桐たんす背面の背板が縦に
割れてしまっていた、引き出しもひびが入っている等、今迄気にしていなかった
痛みに気づくかもしれません。
どうしても隙間がありますといくら桐たんすといえども、湿気った床や風通しの悪いタンス背面の壁の湿気が 入って来て、たんすの内部までカビが生えてくることがあります。
長い間使ううちに乾燥して割れ、その後に引っ越し等でたまたま湿気の多い場所でカビが生えたかも知れません。
それだけ何十年も伸び縮を繰り返したタンスはかなり傷んでおりメンテナンスの機会
になっています。
通常メンテナンスのリフォームによりガタや隙間をなくしますので新品同様になります。
その後に表面は洗い直しに表面の削りや時代仕上げによる炭化まで繰り返しますので表面のカビは完全に除去され除菌されますので適切な場所で使う限りカビは生える事はありません。
そこまで古くなくひびや割れがないがカビだけが心配と言う場合、カビの除去には薬品処理
があります。
ただ中のお着物に影響が出ないよう注意が必要です。
防カビ剤も色々ありますが、ご自分でやるのであれば虫干しが一番です。
長年油単を着けたままの箪笥は扉や引き出し、台輪にもカビの黒い斑点が出て梅雨時は
お問い合わせが多いです。
タンスの中に大事なお着物等を入れていますからカビが移ってしまわないか心配でしょう。
経験上色々なタンスを見ていますが、通常の桐タンスですと、まずそのような心配は
ありません。
環境さえ気を付けてお使いになればそのまま使用可能です。
ただ傷んだまま、隙間のある桐タンスは梅雨に入る前に直した方が良く、そのままですと
中の着物に良くありません。
湿気た着物は晴れた日には陰干しをし、その間にタンスを直しておけば、
安心です。
数々のカビ対策のノウハウがあります、手遅れにならないうちにご要望ください。
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お勧めしない漂白剤の使用。 |
漂白剤で桐タンスの内部を洗っている(桐タンスの洗い)業者さんが居ますが、漂白剤が桐材
の内部に浸透して木肌を痛めてしまいます。
納品時に内部を見て引き出しやお盆の中は黒いままですねと言われる事がありますが、
固く絞った布巾で何度も拭いて汚れを落としています。
漂白剤を使えば簡単に白くなるのですが桐の導管に入った薬剤が桐材を芯から痛め、寿命を縮めてしまいます。
また中に入れる着物にも影響が出ますので気をつけて下さい。
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